玉手箱の中には・・・
年期の入った木製の箱。それは、まさに玉手箱であり、開けた途端、100年の歳月を遡ったのであった。
これは、山口大学の経済学部で保管さ
れている「来賓記名簿」。時は明治41年4月6日。井上勝は、山口大学経済学部の前身、当時の「山口高等商業学校」を訪問していたのだ。この時、勝は66歳。その2年後に没しているから、ひょっとしたら生涯最後のふるさと入りだったかもしれない。「井上馨」や「杉孫七郎」など長州出身者の名前も並んでいるが、何ゆえの御一行様の訪問かは不明。しかし、ひときわ目立つ「井上勝」の署名。文字の大きさもそうであるが、左手で書いたかのような字体となっており、なかなか洒落た感じはないか。
ひ孫の勝重さんも嘆いていたように、井上勝関連のものは戦争で焼けてしまって、ほとんど残っていないという中で、こんなに身近なところに、井上勝の足跡を見つけることができ
た感激は大きい。ノムラン会広報部長が、山口大学経済学部長の藤井大司郎先生を訪問し、たまたま、井上勝の話を持ち出した中で、先生が「そう言えば・・・」と言って見せてく ださったのが、この「来賓記名簿」である。
明治40年の5月8日から始まっていて貴重なお宝だ。 そういうものが、学部長の応接室に、さりげなく置いてあるのも、これまたすごい。
もうすぐ迎える、「井上勝」没後100年。井上勝が甦りつつあるような気がする。今回の発見も、偶然ではなく必然なのである。
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